私は、物事を「隠しておきたい」という気持ちが欠落しているので、心配事があったりするとペラペラとしゃべってしまう。(人は選ぶのだが。)
息子の「学校に行きたくない」と言ったことや、それ以外のトラブルなどでも割と誰かにボヤく。
そんな時、話す相手によっては、
「〇〇くん(息子)、ひとりっ子だからね〜。」
と返ってくる。
・・・なぜだろう。
息子はひとりっ子だ。
別に、できたなら兄弟がいてもいいと思った。
ただ、結果ひとりっ子になったというだけ。
たしかに私は独身時代、子供がそんなに得意ではなかった。
ぶっちゃけ、かわいいと思ったことがなかった。
そんなだから息子が産まれた瞬間は、「二度と出産なんてしたくない」と思った。
産まれたばかりの息子を抱いても喜びより不安のほうが大きかった。
息子を連れて自宅に帰り1人で世話をしていた時も、寝ている息子の横でちゃんと息をしているのか不安で体操座りでガン見して、「私はどうしてこんなに大切なものを作ってしまったのだろう…」とシクシク泣いた。
(当時、乳幼児突然死症候群のニュースが多かったので。)
それでも、笑ってくれればかわいいし。
ハイハイで後をついてくるようになればかわいいし。
履いてるオムツでパツンパツンのお尻もかわいいし。
よちよち歩く姿も、転んで泣いててもかわいいし。
どんどん「かわいい」が増えていった。
すると、どうだろう。
今までなんとも思っていなかった世の中の子供がみんなかわいく思えてきた。
それから再就職して、仕事が楽しくなって、気づいたら40歳になっていた。
結局子供はできなかった。
その頃になると我が家では、ひとりっ子でもいいよね!となっていた。
それでも42歳くらいまで、
「2人目頑張りなよ〜」
「兄弟いないとかわいそうだよ〜」
「1人だとわがままになるよ〜」
「将来、息子くんひとりぼっちになっちゃうよ〜」
なんて言われた。
(ひとりぼっちって…。旦那が80歳で死んだとして、その時息子54歳のおじさんですけど。)
多分、悪気なんてなかったのだろう。
純粋に「子供は何人かいたほうがいいよ!」とアドバイスしてくれたのだと思う。
私だって、
「またフニャフニャの赤ちゃん抱っこしたいな〜」
「また手の平にアンパンマン書いてあげたいな〜」
「息子が下の子を可愛がる様子を見てみたいな〜」
「家族が増えれば楽しいだろうな〜」
なんて思ったけど、こればっかりは仕方がない。
そうなる宿命だったのだろう。
息子も色々悩ませてくれることもあるが、特別わがままに育っているようには見えない。
割といつも穏やかで、攻撃的になることもない。
ぼんやりしていて気付かないこともあるが、人に優しく接することもできる。
まして自分のことを「かわいそう」なんて思っていないだろう。
兄弟がいるかいないかは関係ない!…って思いたい。
気になったので、息子にもひとりっ子でよかったのか聞いてみた。
「兄弟がいたらカードゲームの相手ができていいとは思うけど、ゲーム機だと順番待ちとかになるのは嫌だし、ゲームのソフトもあまり買って貰えなくなるかもだからひとりっ子でよかった。」
・・・ゲームのことばかりですな。
『ひとりっ子の親の責任』として思うことは、子供の足かせにはならないように…ということ。
もし、自分たちが病気や介護になってしまったとしても迷惑をかけない準備はしておきたい。
今は、大学(院?)までの学費のことで頭がいっぱいだけど。