自宅に戻り、息子に話を聞いた。
息子はやはり、コンビニを出てすぐ違う方向(地図の→ )に進んでしまったらしい。
《息子からの話》
総合病院の前を通って、本川越の駅を過ぎた辺りで
「あれ?道間違えたかな?」
と思った。
そして、戻ろうとしてなぜか丸広の裏の駐車場に辿り着いた。
自分がお金を手に持っているのを思い出し、公衆電話で私に電話をしようとした。
(息子は数字の羅列の暗記が得意で、私の携帯NOを覚えていた)
公衆電話に十円玉を入れる→お金が下から出てきてしまう
番号を押して十円玉を入れる→お金が下から出てきてしまう
息子は今まで公衆電話を使ったことがなく、“最初に受話器を取る”がわからなかった。
公衆電話は諦めることにした。
そこで駐車場にいた買い物帰りのおじさんに
「すみません、携帯を貸してください。」
と頼んでみた。
・・・断られた。(というか、怒られたらしい。)
諦めずに丸広の警備の人?に
「すみません、携帯を貸してください。」
と頼んでみた。
借りることができた。
それなのに私は、テンパってすぐに駆けつけられない旦那さんや自分の母親に電話しまくっていて、せっかく息子が電話してくれたのに“通話中”にしてしまっていたのだ。
2回私の携帯にTELして通話中で、警備の人に
「もういい?」
と聞かれ、返すしかなかった。
仕方なくまた歩き始めると神社があった。
急に人が少なくなったのと、神社の鳥居の様子が恐くなって右の脇道に入った。
すると、何度か来たことのあるクレアモールに出た。
クレアモールから出てなんとなく右の方を見ると、コンビニを出た時に見えた踏切が見えた。
「踏切を渡ってコンビニに戻ろう!」
と思って踏切の前に立っていたところを発見された。
その日は30度を超える真夏日。
ペットボトルはあっという間に空になってしまったらしい。
息子からその様子を聞いて胸が苦しくなった。
1 最初にいた駐車場
2 お金をくずしにいったコンビニ
→ 私の会社へ向かう道
→ 迷った息子が向かった道
◯ 息子の発見場所
《*地図載せても地元の人わかりづらいと思います…。すみません。》
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その後、私の実家でそのことについて話をした。
当時、妹が出戻りで実家にいたので、同じ年の姪っ子にも話を聞かせた。
まず、公衆電話について。
必ず受話器を上げてからお金を入れる。
緊急事態の時はケチらずに百円を入れる。(途中で切れないように)
次に、大人(他人)の頼り方。
できるだけお店の人に声を掛ける。
お店がなければ、できるだけ女性に声を掛ける。
そして、伝え方。
必ず、お願いしたいことと、その理由をセットで話す。
息子の場合「迷子になってしまったので携帯を貸して下さい。」と聞いていれば、違った対応をしてもらえたような気がするので。
最後に、私の反省。
自分の住んでる街のことを教えていなかったこと。
その後はできるだけ「今どこにいるかわかる?」と聞くようにした。
あとは、お金をそのまま預けてしまったこと。
息子にも財布を購入し、
「もしお金を狙われるような事になっても、命の方が大切だからお金は投げて逃げなさい。」
と伝えた。
勉強のこととか、成績のこととか、夏期講習のこととか…。
そんなことよりも大切なことを教えていなかったと反省した。
そんな様子をヘラヘラと聞いていた姪っ子。
その頃は女の子の方が心も体も成長が早かったので、ちょっぴりバカにした様子だった。
「夏休みの自由研究にいい材料見つけちゃった ♪」
と、新聞にまとめた。
それは、目からウロコのすばらしい新聞になり、小学校の代表に選ばれて市でもすばらしい賞をもらい博物館に展示されましたとさ。
《おしまい》